NPOをなんで設立したの?代表のyukiさんに聞いてみた
NPOをなんで設立したの?代表のyukiさんに聞いてみた

NPOをなんで設立したの?代表のyukiさんに聞いてみた

こんにちは!DIODENのさいとうです。今回は代表のyukiさんにNPOを設立した背景を聞いてみました!ニューロダイバーシティとの出会い、そして成し遂げたいことを赤裸々に語ってもらってます

NPOの設立に至った背景?

ー今回はよろしくお願いします!早速ですがNPOを何で立ち上げたのか教えてください。

大学に入学して初めての「社会起業インターンシップ」という授業がきっかけでした。「ニューロダイバーシティ」という概念は気になってはいたのですが、当初はすぐに取り組むつもりはありませんでした。そんな時、漠然と「起業って面白そう」という思いで「社会起業インターンシップ」という授業を履修したのですが、この授業を受けるには新しくNPOを立ち上げる必要があって…。

ーめっちゃハードな授業ですね……

そうなんですよ!しかも1年間ずっと取り組むので、自分が好きになれないテーマではきつそうだと思いました。「自分が情熱をかけられる分野ってなんだろう…」って、すごく悩んだのですが、最終的な結論が「ニューロダイバーシティ」でした。「私自身が当事者でもある分野だから、1年間真剣に取り組めそう」って思ったんです。

それに当時は、日本でこのテーマに取り組んでいる当事者はほとんど居なくて、情報も少ない状況でした。なので「自分がやらないと始まらない」と、謎の使命感を感じていましたね(笑) 私も含め、生きづらさはあっても、福祉支援の対象になりにくい・ニーズが合致しないという当事者も多いと感じました

ーちなみにニューロダイバーシティについては昔から知っていたんですか?

ええ。それに、そもそもニューロダイバーシティについて知る前から、経験上「自分の特性はマイナスになる面もあるけれど、プラスにもなる」と感じていました。そして高校2年生の時に、その疑問をネットの質問掲示板でつぶやいたら、あるイギリス人の方に出会ったんです。その方が制作したらしい、ニューロダイバーシティについての論文を和訳したサイトを見て、この概念を初めて知りました。その方とはかなり議論もしました。ニューロダイバーシティの対象に、発達障害の重度の人を含めるのか?とか… (yukiさんは含める派。イギリス人の方は含めない派。)

ーそこで議論はどうなったんですか?

それは結局平行線で。今も悩んでいます。ただ少なくとも、大まかな方向性として「いろいろな発達特性の人がそれぞれに合った環境で生きられる社会を作る」という所にとても共感しました。「みんな違う」という前提の、新しい社会を実現したいと思いました。

というのも、私自身、得意なこと・興味のあることができなかった経験がありまして。たとえば受験勉強で、興味のないことをやらされるのがすごく嫌でした。例えば、世界史の丸暗記とか。「〇〇年に誰が何をやったのか」ではなくて、「なぜそれが起きたのか」という部分の方が大事だと思いましたし、興味がありました。一方で、勉強が楽しいと感じた時もありました

ーそれはどんな体験からだったんですか?

一番は、今の大学(SFC)の入試でした。「この世の理不尽を15個あげよ」というテーマの試験だったんですが、私のADHD的な特性が功を奏して、アイデアには困りませんでしたね。それに、入試本番なのに、不思議ととても楽しかったのを覚えています。そして、SFC自体にも、ADHD度の高い生徒や教授が多いと感じます(笑) そもそも、SFCの仕組み自体もADHDフレンドリーに思えますし。私達も自分の特性に合った環境・強みが活かせて評価される環境であれば、もっと生きやすいということを、私は経験的に感じていました

 

私がニューロダイバーシティに共感したもう一つの理由は、人間関係で苦労した経験でした。私は、1人の時間もある程度大切にしたいと思っていたのですが、学校で1人だと、いじめられるリスクは高まります。それに、私は他の人と意見が大きく異なることが多かったので、浮くことも多かったです。一方で、後になってみると私の指摘の通りだった…ということもよくありました。

ー大変な経験をなさっているんですね……

ええ。ただ、「相手を騙すことはしない」という部分は、評価してくれた友人もいました

ーそれは感じます(笑)オープンにコミュニケーション取ってくれますもんね。

ありがとうございます。先ほどの話に戻すと、自閉スペクトラムの特性は、一般には「騙されやすい」「空気を読まない」という短所として語られます。けれど、私が「誠実でありたい」という思いを貫いたことは、信用にも繋がりました。それに世の中には、周りの空気を読まずに考えを伝える人も、少しは必要だと思います。そもそも私が空気を読んでいたら、NPOなんて立ち上げなかったでしょうし(笑)

ー自分もそう思いますけど。中には色々な人間もいますからね……

今後どうしていきたいか?

直近では、新しくソーシャルベンチャーを立ち上げて、あらゆる企業の職場にニューロダイバーシティを持ち込むことを目指しています。多様な発達特性の人が働きやすく、それぞれが得意なことを生かして、苦手なことは補い合えるような職場をスタンダードにできれば、それは企業にとっても「労働力の向上」という競争優位になり得ると、私は思っています。それが実現できれば、非定型発達のことを差別する企業は長期的に衰退することになるので、一気に取り組みが進み、多くの当事者の経済的な自立やキャリアアップに繋がると思います。

一方で企業が参入しづらい問題に取り組む際には、やはりビジネスではなくNPOという形が重要だと思います。義務教育とか。あるいは、今やっているパターン・ランゲージ事業のような調査・研究やコミュニティの運営もすぐには利益に繋がりにくいので、ビジネスではなくNPOとしてやるつもりです

ーNPO内でのyukiさんの役割はどうなんでしょう?

「切り込み隊」だと思います。私は、面白そうだと思ったことを見つけて提案を投げては、そのまま衝動的に突っ走っています(笑)逆に、プロジェクトを持続させたりするのは苦手ですね

ーストレートですね(笑)yukiさんからいつも新しいアイデアを投げてくれますし、そんなイメージがあります。一緒にNPO盛り上げていきましょう!


今回はここまでにしたいと思います。もしこの記事に興味を持っていただけたら、弊NPO公式Twitterもチェックしていただけると嬉しいです!

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